ヒビノログ

個人的なメモを淡々と記録していくブログ。最近はLaravelやスマートフォンの話題など。

【レポート】DXEL.2 エンジニアとデザイナーが「いい関係」を築くために

先日参加してきたこちらのイベントのレポート記事です。

engineers-x-designers.connpass.com

まず、このイベントのコンセプトから。

エンジニアとデザイナーはものづくりをする上で非常に密接な関わりを持つ間柄です。しかしそれぞれが専門職であり固有の知識が必要であるがゆえに相手にどう依頼するのが一番いいのかわからなかったり、重要視している観点が異なってすれ違いが起きたりすることもあるのではないでしょうか。「これ簡単そうに見えるけどこうゆう理由で結構難しいんだよ…」などを共有し、お互い歩み寄れば高いパフォーマンスを発揮できたり、より良いプロダクトを創ることができるはず…!そんな思いから、今回も

「エンジニア⇔デザイナーに伝えたいことを伝える」

をテーマにしてイベントを開催することにしました。

1. 「エンジニアとデザイナーが協働について本気出して考えてみた」@akatsuki174

Zaim社さんの中で行われた「エンジニアとデザイナーがもっといい感じに仕事をやっていくにはどうしたらいいか」というディスカッションと現状報告といった内容でした。それぞれが日々の業務に追われていると、こういったことに改めて時間を取るというのは難しかったりしますよね。良い試みだと思います。

speakerdeck.com

ディスカッションの結果、直接会話をする時間やレビューの時間を増やすといった試みをされているようですが、そのことで他の時間が圧迫されたり、デリバリまでの時間が延びるといったこともあったりするのかなーと思いました。ツールと対面での会話のいいバランスの位置を探っている感じでしょうか。

2. 「サービスを育てるために意識していること」@nikoko45

「デザインを作るときに考えていること」をテーマにしたお話です。機能追加やエンハンスにおいて初期段階での「なぜ作るのか」「何が重要なのか」といった部分の明文化から、リリース後のヒアリング、ユーザーテストまでを担当されていて、「全体をデザインする」視点を持ってお仕事をされているのが伝わってきました。

speakerdeck.com

「実装にかかる時間がわからないので複数案作って投げてみる」「漫画を描いて利用するシチュエーションを伝える」「発想をデジタルに閉じない」といったところはまさに「ビジネスとエンジニアリングをつなげる翻訳者・演出家」ですね。「アセット化などの効率化はもうやってるんですが」なんてサラッと話されていて「お、おぅ...」となりました。すばらしい。

3. 「こんなSketch(Zeplin)はイヤだ」@fromkk

エンジニア視点でのお話。でもトーク後の懇親会でお話しした他のデザイナさんから「やってしまっているかも...」といった話がでるくらい、「言わなきゃわからない」話でもある。ちなみに弊社のデザイナもこのスライドを見つけて読んでました。

speakerdeck.com

前半部分だけ見るとデザインに対してdisりが入っているように見えて、後半で「実はUIガイドラインがあるのであまり困ってないんです」と言われて「いいじゃん!」となりました。ここがわからないと伝える、こうやって言ってくれると助かると伝える、など、ツールを用いたとしても、そこはツールを通したコミュニケーションが必要だということですね。

4. 「Figmaを使って全職種の皆といい関係を築いていきませんか」@nanammeon

Figmaのデモを中心にしたトークでした。割とこういう場で紹介されるものは「使ってるけどいいよ!」的なところ止まりなことが多いので、デモを含めて紹介があるのは良いですね。

t.co

デザイナとエンジニアの範囲くらいであればみんなでツール入れるのもアリかもしれませんが、エライ人やお客さんに見せるときにより効力を発揮しそうだと思いました。

5. 「デザイナと仲良くなるための取り組み with エモ」@m_orishi

「好意の返報性」「心理的安全性」あたりがこのトークのテーマかなと。言い方ひとつで伝わることもあるし、逆に伝わらないこともある。これって、デザイナとエンジニアだけの話ではなく、エンジニアどうし、デザイナどうしでも、あるいは、企画担当者やユーザーとのコミュニケーションでも必要だし、積極的に使っていきたいですね。

www.slideshare.net

「尺に合わせて何か言う」はうまいと思いました(笑)

6. 「デザイナーが知っておくべきiOS実装のあれこれ」@0_hanamizki

デザイナがエンジニアと一緒にペアプロをやってみた経験から学んだことを発表してくれました。何を学んだのか、何がよかったのか、がわかりやすく言語化されていてすばらしいと思いました。

speakerdeck.com

デザイナとエンジニアのペアプロは私の後輩たちも取り組んでいて、AutoLayoutや色の話は「そうだよねぇ」と思いながら聞いてました。「黒といっても#000じゃない」というのはデザイナじゃないですが、わかる。自分の考えたアプリを構想から4、5年かかってリリースできたというのはすごいなぁと思いました。

感想

実際のプロダクト開発の中で起きている話が多かったのは良いと思いました。またSketchやZeplin、XDといったツールはもう普通に使われていて、そのうえでの工夫や課題点を共有する話題が中心だった印象があり、かなりの危機感を抱いたことは事実です。このあたりを肌感覚で得られてありがたかったです。

今回の会場は「オイシックス・ラ・大地」さんでした。こちらが勉強会会場になったときの懇親会の食べ物はいつもすごいんです(話をしているうちに売り切れてしまって撮り損ねました...)。会場と飲食のご提供、ありがとうございました! f:id:kurikazu:20181028230148j:plain