SENSORS IGNITION 2017 を見てきた
SENSORS IGNITION 2017 というイベントがあったので行ってきました。 www.sensors.jp
キーノートセッションの内容をメモしてきたのでおすそ分けします。
グローバルに通用するクリエイティブとは?
MIKIKOさん(以下:M)、真鍋大度さん(以下:真)
モデレーター:原浩生さん
ちょっと前までドイツでのイベント(CeBIT)に行ってたんです
- https://www.youtube.com/watch?v=8xuFMGPdtCY
- テクノロジーの見本市のようなもの
- 「パートナー国」が日本で首相も出席
- 日本が考えているテクノロジーとの関わり方をパフォーマンスで魅せた(森山未來、11play、ライゾマ)
- ダンサーが真っ白のキューブでパフォーマンスする
- 筋電センサー、モーションキャプチャを使った光と音
カメラ(固定、移動)を使ってARでリアルタイム合成
- ARでグラフィック合成とかやってるけど、いまはそれ以上のことができるので、どこまでできるかライゾマチームでやっている
- できる事のいろんなサンプルをライゾマから提案し、MIKIKOがコンテンツ化する → パフォーマンスに昇華する。音楽、パフォーマーで構築していく
- 筋電センサー連携を使うと手が曲がる前に音が出るのでダンサー的には難しいデバイス。森山さんは理解してダンスができる人だった。
- ARはテクステャを使ってリアルなものを変形させる試みをやった。マーカーを付けない状態で。
- 合成だけでなく変形もチャレンジ、これをライブでやった。
- 作る側は細かいテクニカルを使っていてソフトウェアもダンスもトラブルがあれば成立しないが、マジックを見たくらいで伝われば良いと思っている
リオ閉会式の話
- サッカーが最終競技、そして閉会式と同会場という状況、つまり直前リハーサルができず本番は一発。そういった緊張感も含めて伝わったのではないか。
- それは事前にわかっていたので専用のシミュレーションソフトをライゾマで作った。それが今回の成功につながっている
- FARO という技術(スキャナ?)でスタジアム全体をスキャン
- 予定の場所にカメラがなかったとしてもそれを補正するためのソフトを作っていった(カメラの位置がわかったのは本番1時間前…)どうやって調整をするか考えてソフトウェアを作った。
- ダンサーはひたすら練習。全体としてどういうパフォーマンスになるか、パフォーマー一人一人が理解して、1つでも間違えると成立しないという緊張感がある。テクノロジーも両方大事。
- 日本をどう表現するか。そこに一番時間をかけた。8分間で、東京に行きたくなるような期待を高めるために。
- リアルに東京で起きている事、「これが一番かっこいい」と思う事を表現したかった。それをスポーツという枠に落とし込んだ
- 国際映像はARで合成した後の映像が流れるが、AR映像の見せ所とスタジアム内の演出のタイミングを合わせることで、スタジアムからの歓声が上がり、同じものをみんなが見ているかのような演出を狙った
- 今回、メッセージ「LOVE SPORTS LOVE TOKYO」ありきでパフォーマンスに落とし込むというのははじめての経験だった(いつもは見る側の想像に任せて余白を作るようなことをしている)
- アニメやゲームキャラクターなどを使ったポップなアイデアが万人に受けたのでは。
真鍋さんの「晒す」スタイルについて
- 自分一人で調べると効率が悪いので集合知を使っている
- ブレストする時間があったら調べごとや実験に使いたい…オリンピックのように言語から表現に落とし込むようなケースはみんなで擦り合せるしかないけど。
必要な情報のインプットについて
- MIKIKOさん
- 影響されたくないので他のアーティストの作品は見ないようにしてる。仕事では異業種の人たちからインプットすることが多い
- 純粋にその音楽とアーティストに何が合うのかを考えている
- 真鍋さん
- SNSは精度が…新しい技術やデバイスの情報はクローズドのMLで仕入れてる
- 同じ事をやっている人がいないか、その歴史から共有して次に何ができるかというやり方をしている。「パネル、キューブ」がテーマなら、誰が最初だろう?と調べるタイプ
- MIKIKOさん
海外と比較して課題に感じること
- ここに行けば今の日本の技術や芸術が見られる、という場所がない。常設の劇場を持っていないことがストレス。空調があって、実験できる場所があるといろいろもっと作れるのにと思っている。今いろんな実験をやっている場所があるけどエアコンが無くて寒いのです…(M)
- 文化の違い。真似されたりするので神経を使う部分はある。(真)